
今回は、ブログタイトルにも入っている「大副業時代」についての筆者の考えを書いていきます。
企業が提唱する「働き方改革」の建前とホンネ
ちょっと前の話になりますが、検索エンジンを運営するヤフー株式会社が「働き方改革」の一環として週休3日制を導入した事が話題になりました。
ヤフーが導入する以前からユニクロでおなじみのファーストリテイリング等一部の会社では導入されており、大企業を中心にこの動きは今後更に広がっていきそうです。
「週3日休めるとか最高じゃん。」と思うところですが、話はそう簡単ではありません。
これは、「週休3日制」より各企業に浸透(?)していると思われる「時間外労働の削減」にも言える事ですが、
現在、「今までの仕事を効率化して、短時間で終わる様にしよう!」という働きかけが政府主導の下各企業でなされています。
ですが、たいていの場合、肝心の「仕事量」が変わっていません。
「今までやっていたフローを見直して、不要な〜と〜の手順を今後省略しよう!」とか、「手作業でやっていた〜を自動化しよう!」といった「仕事量そのものの削減」がなければ、
「効率を上げよう」というのはただ「頑張れ!」と言っているのと変わらないのです。
その結果としての「総労働時間の短縮」は、単なる「会社の人件費削減の為の施策」に過ぎない訳ですね。
「働き方改革」とか、「ワークライフバランスの向上」といった耳障りのいい言葉が使われていますが、
会社が提唱している時点で、会社にとって都合のいい解釈がされるのに決まってますよね。
とまあ、おそらく皆分かっている事をずらずらと書きましたが、
何が言いたいかというと、
「週休3日になったら給料減るよね」という事です。
「別に、残業代が減っても自由な時間が多い方がいいんだけど」
と思う方もいるでしょうが、
「生活費が足りないから副業でもしなければやっていけないよ〜」
という人も中にはいるでしょう。
今後、労働市場を取り巻く環境は劇的に変化していくと思われます。
現在、副業を認めている企業は全体の5%未満だが…
現在、就業規則で副業を禁止している企業がほとんどです(もっとも、会社に就業時間以外の行動を制限する権利はないため法的拘束力はないらしいですが)。一説には全体の3.8%と言われています。
あまり副業にのめり込んでしまうと、本業がそっちのけになってしまうので、副業禁止を定めている企業が多いようです。
労働時間が減って副収入が欲しいところを、就業規則で副業が禁止されていては、法的に問題ないと言われてもやりづらいですよね。
これが今、変わろうとしています。
各企業の就業規則の見本として厚生労働省が作成している「モデル就業規則」が2016年に見直され、原則「副業禁止」→「副業容認」に内容が変更されたのです。
「モデル就業規則」が見直されたからといって各企業がすぐに自社の就業規則を変更する訳ではないですが、結局政府主導でやっている事なので、その影響はかなり大きいと言えるでしょう。
「時間外労働の短縮」とともに、「副業を容認」する動きは、今後広がっていきそうです。
(従業員の「働き方を改革」した結果、他社で世話してもらう事になるとは、なんて皮肉だろうと思うのは私だけでしょうか…)
「大副業時代」の到来
何はともあれ、副業を持つ事が当たり前になる時代、「大副業時代」がやってきます!
実際に副業をする場合、考えられるパターンは大きく分けて次の二つですかね。
会社員(もしくは臨時社員等)として2社以上の会社に勤める。
これは非常にシンプルで、文字通りダブルワークって感じですね。
自分が持っている資格やスキルを活かし、
がっつり働いて収入の柱となる仕事を複数持ってもいいですし、
「本業」のかたわら空いた時間を活用してアルバイト感覚で副収入を得るのもいいでしょう。
ただ、時間的な制約や休養とのバランスを考えると、
割合としては後者が大多数になりそうですね。
会社員として働きながら起業する。
「せっかくだから自分で自由に事業をやってみたい」という人はこちらになりますかね。
やれることの自由度が高い分、収入の保証がないといったリスクもあります。
会社を作るにしても通常であれば多額の資本金を準備する必要もありませんし、インターネットの普及により初期投資がほとんどかからないビジネスもある為、起業のしやすい環境にはあると言えるでしょう。
副業のメリット
副業をすることのメリットを私なりにまとめてみました。
収入が増える
まあ、働くわけですから、これが全てと言っても過言ではないですが、
起業した結果赤字が出てしまったのでは、副業の意味がありませんよね。(「経験を積む」という意味ではそれでもいいのかも知れませんが)
視野が広がり、選択肢が増える
隣の芝は青く見えるもの。
「今の会社では満足できないので転職したい」と思っていても、
いざとなって転職した企業が必ずしもイメージ通りの「いい会社」とは限りません。
他の会社で実際に働いてみることで、今いる会社の業務の適性や福利厚生などを、
他社と比較して客観的に見ることができるようになるかも知れません。
場合によっては副業のウェイトを変えてみたり、
起業した事業がうまくいけば一本で食べていくという選択肢もありですね!
会社に依存しない生き方
「一社に定年まで勤め上げれば安泰」という時代は終わりました。
あらゆる分野でモノのインターネット化が進み、
業種を問わず「人の手」が必要な仕事が減ってきています。
金融業の営業職や士業に携わる人など、これまで「安定した職業」の典型とされていた職種でも、「10年後、20年後食えなくなる」としてここ最近話題となっていますね。
オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」ー 週刊現代
副業をしていれば必ずしも解決するとは言えませんが、自分が勤めている会社の業績が悪化した時などは、転職や副業のウェイト変更をスムーズに行う事ができるかも知れません。
また、特定の仕事や人間関係に依存しないという生き方が、
精神衛生上負荷を感じなくていいかも知れませんね。
副業のデメリット
とはいえ、一概に良い事ばかりとも言えないようです。デメリットについてまとめてみました。
スケジュールや休養などの管理が大変
掛け持ちで仕事をするようになれば、業種にもよるでしょうが予定がバッティングしないようにスケジュール管理を行わなければなりません。
副業をすることによって作業効率が下がってしまったのでは意味がありませんので、
予定を組んだりするのが苦手な人は注意が必要ですね。
一方の会社でトラブルが発生してしまい、他方の会社での勤務に支障が出てしまうケースも考えられますね。(もっと言えば、2社同時に…なんて事もあるかも知れません。考えたくもないですね…。)
ダブルワークによって負担が倍以上になってしまっては収入と見合わないので、そのあたりのバランス調整は必要かも知れません。
税務申告が面倒
2社以上の会社に勤務したり、一定規模の事業を個人として行えば、自分で確定申告を行わなければなりません。
知識があったり、書類の作成などが苦にならなけらば良いですが、
手続きが煩雑に感じる方も多いかも知れませんね。
まとめ
・「働き方改革」の一環として、副業を解禁する動きは今後広がっていく。
・収入の減少に対応する為、多くの人が「副業」を持つ時代がやってくる。
・副業のメリット、デメリットを考えながら、自分がどうやって生計を立てるか考えていかなければならない。
以上です。読んでいただきありがとうございました。
参考記事
「副業容認」で働き方が変わる?Infoseekニュース