※別に筆者が会社を辞めるわけではないです。

 

 

みなさんは、俳優の佐藤二朗さんをご存知でしょうか?

 

福田雄一監督作品『勇者ヨシヒコと魔王の城』等でのコミカルな演技ですっかりおなじみの俳優さんですね。

↓吉野家のCM

 

そんな彼ですが、俳優になる前、新卒で就職した求人広告大手のリクルート一日で退社したというエピソードを持っています。(当時の人事部長には「入社日と退社日が同じ日になるのは当社の歴史の中で君が初めてだ」という趣旨の発言をされたようです。そりゃそうだ。)

 

いくら自分が会社と合わないと感じたとしても、一日で退社するというのは中々出来るものではないですね!

 

というわけで今回は、「退職・転職」について考えてみました。

 

 

「石の上にも3年」というけれど・・・

よく言われるのは、「とりあえず3年は我慢しなさい。1〜2年では自分の適性なんてわからないでしょ。」という事です。まあ、3という数字はキリがいいんでしょうか…。

 

ところが毎年4月の入社シーズンになると、「仕事行くのだるい」「会社辞めたい」といった投稿があらゆるSNSで見受けられます。

 

入社後間もない社員が会社を「辞めたい」と思う理由を私なりにまとめてみると、

 

①学生と社会人とのギャップへの戸惑い(集団行動、時間厳守等)

②人づきあいに対する疲弊(職場内での人間関係等)

③クレーム対応や上司からの叱責によるストレス(今までそうした経験がない)

④思い描いていた理想像とのギャップ(理想と現実の乖離)

⑤プライベートな時間への干渉(飲み会や休日出勤等)

⑥単純に業務、労働環境がブラック(異常な時間外労働、パワハラ等)

 

などが挙げられると思います。こうしてみると、⑥の場合はやむを得ない(というか、早く辞めたほうがいい)と思いますが、それ以外はほとんどが「学生から社会人になった事」に起因するものであり、特定の会社だけに限った話ではないという事が分かります。

 

なので、もし①〜⑤に挙げた理由で転職をした場合、転職先でも同じ問題を抱える可能性は十分にあります(転職エージェントや企業の採用担当者は転職先の「悪い部分」については教えてくれません)。

 

新卒の場合、社会人1年生として「仕事が分からなくて当たり前」という立ち位置でごまかしがきく面もありますが、転職者の場合そうではありません。

 

転職先より前勤務先の方が規模が大きかったり、知名度のある企業であった場合は、「〜出身なんだからこれくらい出来て当たり前でしょ」と思われますし、逆の場合は「よそから来た人だしあまり期待は出来ないな」という様に先入観を持たれてしまいます。

 

この先入観というのは非常に厄介な代物です。たとえ同業種への転職であっても、システムや業務フローが全く同じはずはなく、1から勉強しなければならない事もあるはずですが、周りの社員には「出来て当たり前」と思われてしまいます。異業種への転職であればなおさら大変です。そうしているうちに、会社に居づらくなりまた転職…。といった悪循環に陥ってしまう事もあります。

 

新たな勤務先の企業文化や人間関係に順応する事に労力を使うので、転職をするのであれば、今と比較して待遇が「格段に良くなる」のでなければ割に合いません。そもそも新卒で入った会社とは、基本的に自分が「入りたい」とか「自分に合っている」と思って応募した会社のはずですから…。

 

 

転職するなら今のうち?

 

とはいえ、昨今多くの企業で人手不足が騒がれ、就職・転職市場は空前の「売り手市場」だと言われています。

 

転職市場予想 2017年下半期 ー DODA

 

なぜ今企業が積極採用をしているかというと、

 

①団塊の世代(1947〜1949年生まれの人たち)が定年を迎え一挙に退職した

②バブル経済崩壊後、各企業が募集人数を絞った時期(1990年代後半〜2000年代初頭)があり中間管理職の人数が少ない

③好業績の企業が資金投下して人材の確保に乗り出している

 

更に昨今の「働き方改革」の流れがこれに拍車をかけています。より良い労働環境を求める労働者・多様な人材を求める企業双方の動きによって転職市場はますます活発化するでしょう。

 

①と②は構造的な要因として元から認識されていた事だと思いますが、ここ最近の株式市場の活況を見て分かる通り③もかなり重要な要因です。人材の確保にはそれなりの費用がかかるので、企業が儲かっていなければ出来ない話だからです。

 

 

転職した方がいい人とそうでない人

さて、転職市場はかつてない盛り上がりを見せている訳ですが、誰でも今転職すれば待遇が良くなるのでしょうか?

 

好調な株式市場や「働き方改革」の広がりが毎日の様に世間を賑わす中、こんな報道がありました。

 

40代で低所得世帯の割合が増加 厚労省|日テレNEWS24

 

そもそも会社の業績が思わしくなかったり、スキル不要の単純な業務をやっていると、働き盛りの年代であっても年収が400万円を切ってしまうのです。

 

正社員と非正規雇用者との賃金格差も社会問題化していますが、「働き方改革」という大義名分を得た企業は今後残業代などの人件費を容赦なくカットしにきます。

 

業種を問わずインターネットの影響によって非対面の販売チャネルが拡大していく中、従来のやり方を続けていては安定して利益を出す事が出来ないのです。

 

では、積極採用をしている企業はどんな人材が欲しいのか?

 

簡単な話で、使える人間が欲しいのです。

 

マーケットの変化やテクノロジーの進歩に柔軟に対応できる人材を企業は今必死になって確保しようとしています。

 

「転職市場は活況」とはいうものの、「現実はかなりシビア」である事が分かります。

 

そんな中、「転職をした方がいい人」とはどんな人なのか・・・

 

 

 

ズバリ、「今の会社を食わせてやっている人」です。

 

 

 

周りの社員を見て、「なんでこいつらと俺が同じ給料なんだ・・・」と思う様なハイパフォーマンスな人こそが、転職すべき人なのです。これは今の時代に限った話ではないですが。

 

逆に、仕事で数多く失敗をしたり、周りの助けがないとやっていけない様な人(つまり、会社に食わせてもらっている人)は、たとえ上司との折り合いが悪くとも、今の会社にしがみついていた方がいいと思われます。

 

 

で、佐藤二郎の話に戻ると

結局、佐藤二郎面白いよね。最高だよね。というだけの話です←え

 

彼の場合仕事が役者という特殊なカテゴリなので一般化出来ない部分がありますが、「新卒で入った会社を一日で辞める」というのはよほど自分に自信がないと出来ない事だと思います。ましてやリクルートほどの一流企業を。

 

「あ、やばい。自分は会社員出来ない。」というとThe・社会不適合者みたいで大丈夫なの?って感じですが、まっとうにモノづくりをやっていた会社でもあっという間に業績が悪化してしまう様な時代です。一方で、Youtuberの様な一見すると何の生産性もないようなコンテンツを作っている人がそれでメシを食っていたりします。

 

全員配信者になれ、とは言いませんが、転職市場で必要とされる人物像としてよく挙げられる「クリエイティブな人間」とは、まさしく彼らのように自分でコンテンツを作れる人間なのです。

 

私自身「大変な時代だなあ」という思いと、「面白い時代だなあ」という思いが半分半分、といった感じです。

 

自分が今働いている企業は20年、30年経っても存続できるだろうか、という事を考えながらこうして記事を書いてます笑

 

転職やら副業やら選択肢が増えていく中、自分にとって最適な働き方を見つけていきましょう!

 

軍曹でした~

 

 

 

↓「存外にも」あまり売れていないらしい(本人談)